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一橋大学基金について

学長メッセージ

ネクスト・レベルの拡充への
取り組みを進めていくために

加工_DSC1918.jpg 国立大学法人一橋大学は、明治8年(1875年)、森有礼が当初は私設の学校として銀座尾張町に開いた商法講習所を建学の起源として出発、大正9年(1920年)には官立東京商科大学に昇格(1920年)、昭和24年(1949年)からは国立の一橋大学として歩んでまいりました。令和7年(2025年)に創立150周年の節目を迎えます。

建学以来、一橋大学は、「混沌、困窮、諸悪に対して戦い、人類を導く真の勇者」であるキャプテンズ・オブ・インダストリー(トーマス・カーライル)をモットーとして、市民社会の学である社会科学の総合大学として、日本の社会科学をリードするとともに、日本および世界で活躍する各界の指導的担い手を育成する卓越した教育研究コミュニティとして歩みを進めてきました。

 その大きな特色は、草創期以来、渋沢栄一をはじめ幾多の先人たちや各界で活躍する卒業生など、さまざまの人々の強い思いと支援が、本学を今日の姿へと導いてきたことです。現在の一橋大学をかたちづくる多くの施設、主なもののみを挙げても、国立キャンパスの兼松講堂、磯野研究館、如水会100周年インテリジェント・ホール、如水ゲストハウス、佐野書院、小平キャンパスの125周年如水スポーツプラザ、千代田キャンパスの一橋講堂などが、皆さまのご寄附・ご支援で建築・改修・取得されてまいりました。

 先人の思いを受け継ぎ、国立大学法人一橋大学の使命遂行を支援するために2004年に設立された一橋大学基金には、卒業生・在学生とそのご家族を中心とする個人の皆さま、同窓会組織である如水会、各種団体・企業の皆さまから幅広くご支援をいただき、寄付総額は2022年3月で累計130億円(運用残高63億円)に達しました。このように大きなご支援をいただいてきた結果として、一橋大学の収入に個人・法人からの寄附の占める割合は国立大学のなかでもトップクラスとなっております。このことは人々の強い思いと支援に支えられてきた大学としての大きな誇りであり、ご支援をいただきました皆さまに、あらためて深く感謝申し上げます。

 自然科学・医学と比較して巨費を投じる施設等を必要としてこなかった人文社会科学系の研究教育拠点である一橋大学は、たとえば東京大学と比較すると、その20分の1にも満たない予算で運営されています。それだけに皆さまからの寄付は、本学の日々の研究教育とその発展に──寄附講義、留学支援、学生支援などの諸事業を通じて──寄付者の目に見える手応えのある効果をもたらしてきました。この観点から、一橋大学基金は、基金の使途が寄付者のご意志に沿った目的となるよう、つねにていねいにご相談・対応させていただいております。

 2020年代の今日、一橋大学は、教育研究のさらなる国際化・高度化・多様化に向けて一段の飛躍に挑戦し、その特色と強みを生かして社会科学における世界最高水準の教育研究拠点となることを目指しております。第4期中期計画期間(2022-27年度)においては、「ひらく、つどう、つなぐ」をキーワードに更なる挑戦を展開しております。

 「ひらく」(=開放性を高める):たとえば、キャンパス内で培った教育研究資産を社会に向けて広く開放することを意味しています。本学では、高次元での政策立案ができる人材育成を行う国際・公共政策大学院のような正規の教育課程に加え、経営管理研究科のエグゼクティブ・プログラムのようなリカレント教育を推進しており、開放講座、公開講座やアカデミアなどを通じて、いっそうその開放性を高めていきます。

 「つどう」(=多様性を高める):たとえば、多様な出身国、ジェンダー、世代がつどう場としての大学づくりを意味しています。21世紀の諸課題を解決し、社会をより良く、強くしていくためにも多様性が必要です。本学においても、すでに高い水準にある国際化、教職員のジェンダーの多様化に加え、より多くの若手研究者を一橋コミュニティに迎えることが、世界最高水準の社会科学の研究教育拠点に成長するためには必要であり、そのためにも多様性をいっそう推進する大学づくりを進めていきます。

 「つなぐ」(=社会連携の強化):たとえば、研究教育の学外連携事業に積極的に取り組み、社会との共創を高めていく姿勢を意味します。すでに本学は、様々な場を通じて産学官連携を推進するとともに、産業技術総合研究所との包括連携や東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学と締結した四大学連合や海外大学との大学間連携などを軸に教育・研究機会の拡大を推進してきました。各研究科とりわけ新たに発足するソーシャル・データサイエンス学部・研究科は、企業をはじめとする新たな外部のステイクホルダーとの連携事業を活発に展開していきます。

 2023年4月には、72年ぶりに学士課程の新学部としてソーシャル・データサイエンス学部を設置して、文理融合領域における教育研究や社会との共創を飛躍的に充実させるなど、本学の使命を果たし、社会科学における世界最高水準の大学として日本及び世界の発展に貢献するために、ネクスト・レベルの取り組みを進めていきます。

 このような一橋大学の新しい挑戦には、従来とは異なるレベルで教育研究のための資金を獲得することが必須となっています。その一方、国立大学法人化以後の18年間で国立大学運営費交付金全体は約13パーセント削減されてきました。国の財政が逼迫するなか、どの国立大学も厳しい財政状況に直面しています。このような現状のなかで、一橋大学が本学の使命を果たしていくためには、更なる財務基盤拡充に向けた取り組みを強化していかなければならないと考えています。そのためにも、皆さまからのご支援が大きな支えとなります。

 こうした趣旨の下に、一橋大学は卒業生の方々をはじめとする個人の皆さまや団体・企業の皆さまに、広く基金拡充へのお力添えをお願いいたしております。なにとぞこの趣旨をご理解いただき、格別のご支援とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

一橋大学長

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一橋大学基金の募集について

一橋大学基金は、一橋大学が卓越した学術コミュニティとしての個性と魅力をさらに伸ばし、社会からの信頼と負託に応える教育研究を推進していくために、財政基盤を強化と財源の多様化を目指して設置いたしました。

一橋大学基金への寄附には、「一般(基盤事業)寄附」と「使途指定寄附」があります。
 

 

 

 

 

一橋大学基金

一般(基盤事業)寄附
ご寄附の使途を大学に一任いただき、大学全体のご支援をいただくものです。一橋大学基金の中核資金として積み立て、学生支援、教育研究支援、国際交流支援等、一橋大学全体の事業に活用させていただきます。

使途指定寄附
学部・研究科単位の教育研究の支援など、あらかじめご寄附の使途を特定していただくものです。指定された使途に活用させていただきます。