一橋大学基金 Frontier 4 Foundation

学長あいさつ

 一橋大学は、1875年に森有礼が私設の商法講習所として設立して以来、1920年に官立の東京商科大学、1949年に国立の一橋大学となって今日に至る歴史を通じて、日本の社会科学をリードするとともに、日本および世界で活躍する各界の指導的担い手を育成する卓越した研究教育コミュニティとして歩んできました。その大きな特色は、草創期以来、渋沢栄一・勝海舟をはじめ幾多の先人たちや各界で活躍する卒業生など、さまざまの人々の強い思いと支援が、本学を今日の姿へと導いてきたことです。2004年、一橋大学基金はこの思いを受け継ぎ、国立大学法人一橋大学がその使命を遂行するために全力をあげて研究教育に邁進することを支援するために設立されました。

 卒業生・在学生とそのご家族を中心とする個人の皆さまからの幅広い寄付と、同窓会組織である如水会をはじめ各種団体・企業の皆さまからの寄付の総額は、2020年3月で累計118億円に達しました。このように大きなご支援をいただいてきた結果として、一橋大学の収入に個人・法人からの寄付の占める割合は国立大学のなかでもトップクラスとなっております。このことは人々の強い思いと支援に支えられてきた大学としての大きな誇りであり、ご支援をいただいてきました皆さまに、あらためて深く感謝申し上げます。

 自然科学・医学と比較して巨費を投じる施設等を必要としてこなかった人文社会科学系の研究教育拠点である一橋大学は、たとえば東京大学と比較すると、その20分の1にも満たない予算で運営されています。それだけに皆さまからの寄付は、本学の日々の研究教育とその発展に──寄附講義、留学支援、学生支援などの諸事業を通じて──寄付者の目に見える手応えのある効果をもたらしてきました。この観点から、一橋大学基金は、基金の使途が寄付者のご意志に沿った目的となるよう、つねにていねいにご相談・対応させていただいております。

 2020年代の今日、一橋大学は、研究教育のさらなる国際化・高度化・多様化に向けた一段の飛躍と挑戦が求められており、その特色と強みを生かして社会科学における世界最高水準の教育研究拠点となることをめざしております。

 第3期中期計画期間(2016-21年度)においては、次の4つのことがらを開拓すべきフロンティアと位置づけて事業を推進しております。

  1. 世界で活躍できるグローバルリーダーの育成
  2. 複雑化・高度化した社会に対応する高度専門職業人の育成
  3. 世界の重要課題を発見し、分析し、解決への道筋を示す先端的研究の推進
  4. 世界をつなぐ社会科学の研究・教育ネットワーク・ハブの構築

 さらに、2019年、一橋大学は「我が国の人文社会科学分野において教育研究の卓越性を誇る大学」として指定国立大学法人の指定を受けました。そして本学は、社会科学分野の戦略的重点化領域を設定するとともに、ソーシャル・データサイエンス領域における研究教育を飛躍的に充実させて新学部・研究科を設置することを予定しており、文理横断の社会科学創造をめざしています。

 このような一橋大学の新しい挑戦には、従来とは異なるレベルで研究教育のための資金を獲得することが必須となっています。その一方、国立大学法人化以後の15年間で国立大学運営費交付金全体は約11パーセント削減されてきました。国の財政が逼迫するなか、どの国立大学も厳しい財政状況に直面しています。一橋大学はこのような現状のなかで、本学の使命を果たし、社会科学における世界最高水準の大学として日本及び世界の発展に貢献するために、一橋大学基金においてもまた、ネクスト・レベルの拡充に向けた取り組みを進めていかなければならないと考えています。

 こうした趣旨の下に、一橋大学は卒業生の方々をはじめとする個人の皆さまや団体・企業の皆さまに、広く基金拡充へのお力添えをお願いいたしております。なにとぞこの趣旨をご理解いただき、格別のご支援とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

一橋大学長                            

中野 聡

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